飲食店の経営に必要な7つの費用|安くする方法も解説

飲食経営費用

飲食店を開業し、経営していくにはどのくらい費用が必要でしょうか?

本記事ではこれから飲食店を始めようと思っている方にむけ、開業までに必要な費用、ランニングコストと費用を抑える方法について紹介します。

開業してから運営していくまでに具体的にかかる費用をイメージでき、費用を抑える方法が分かります。

飲食店の開業に必要な費用は1000万円

日本政策金融公庫が発行している「創業の手引き+」によると、飲食店開設資金の合計額は1,066 万円です。立地やコンセプトなどにより、金額は変動します。

開業資金がいくら必要かを正確に把握することで、計画的な収支計画を立てることができます。飲食店開業にかかる費用は、店舗となる物件の取得のためかかる費用と物件取得後に必要な費用の2つがあります。

物件取得費
  • 保証金:家賃の10か月分が目安
  • 礼金:家賃の1か月分が目安
  • 仲介手数料:不動産会社へ支払う費用 家賃の1か月分が目安
  • 前家賃:契約開始月の日割り家賃と翌月の家賃
物件取得後にかかる費用
  • 外装費 看板設置にかかる費用など
  • 内装工事費
  • 厨房機器費
  • 空調設備費
  • 備品費(POSレジ、食器、調理器具、制服)
  • 販売促進費
  • 従業員の募集にかかる費用

物件取得のための費用は、大家さんや不動産業者に支払います。保証金は、個人の住宅の場合と違い、家賃の10ヶ月相当が目安となります。

通常、店舗向けのテナント物件はコンクリートや配管がむき出しの状態で販売され、店舗としての体裁は整っていないままとなります。このため、物件を店舗として使用するためには、外装・内装工事を行ったり、設備や機器を入手したりする必要があります。

このとき、業者は複数を比較し、見積もりを取って検討するようにしましょう。

また、初期費用を抑えるために、飲食店の体裁を保ったままの状態で契約される「居抜き物件」を活用する方法もあります。

経営を始めてからかかる1ヶ月の費用

飲食店を運営するためには、人件費や物件の家賃など様々な費用が必要です。飲食店の運営費用を「ランニングコスト」や「運転資金」と呼びます。金額は店舗によって様々です。

店舗の売上や利益は、ランニングコストを知らなければ予測することができません。

一般的なコストを知るだけでなく、シミュレーションを行い、自社の状況に適したコストを算出することが重要です。

①家賃

家賃は必ず発生するコストであり、できるだけ安く抑えたいものです。売上の10%以下に抑えることが理想です。

②水道光熱費

水道光熱費は電気やガス、水道代のことです。こまめに電気を消したり、オペレーションを工夫することで、抑えることができます。売上の約5~8%が目安となります。

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③人件費

人件費は、従業員に支払う給与や交通費等の費用です。従業員が増えれば増えるほど人件費がかさむことになるため、適切な従業員数で店舗を運営することが必要になります。売上の25~30%が理想です。

④仕入れ費用

食材費などの仕入れにかかる費用のことです。食材費を抑えすぎると品質が落ちてしまうので注意が必要です。売上の約30%が目安となります。

⑤通信費・消耗品費

通信費は店舗の電話代やインターネット代を指し、消耗品費とはキッチン用品や掃除用品などにかかる費用のことです。売上の約5%が目安となります。

⑥宣伝費

広告宣伝費は、グルメサイト、チラシ、雑誌掲載など集客のためにかかる費用です。売上の約3%が理想です。

広告宣伝費は、費用がかかっても効果が限定的な場合もあるので、効果のないものは中止し、効果のあるものに切り替えていきましょう。無料で利用できるソーシャルネットワーキングサービスもあり、このようなサービスを効果的に利用することで、広告宣伝費を抑えながら効率的に集客をすることも可能です。

⑦車両維持費

店舗で車両を使用している場合、ガソリンや整備など車両のメンテナンスにかかる費用となります。店舗により状況が異なります。

⑧保険料

保険会社は、飲食店などの店舗に向け、店舗総合保険と呼ばれる火災保険を販売しています。損害・休業・賠償などのリスクに対して補償を備えることができます。店舗により状況が異なります。

飲食店の経営にかかる費用を抑える3つの方法

飲食店を運営し、利益を出していくためには、売上を上げることも重要ですが、ランニングコストを抑えることも忘れてはいけない要素です。具体的な3つの対策を紹介します。

①物件は慎重に選ぶ

家賃は毎月かかってしまうことになるため、始めが肝心です。家賃の安い物件を選ぶことはもちろん、不動産業者に複数見積もりを取ったり、大家さんと直接家賃交渉をすることも効果的です。 

この時、あまりにも家賃が安い場合は立地が悪く集客に影響することもあるので注意しましょう。

②オペレーションをしっかり練る

ランニングコストの25~30%を占める人件費の削減は、飲食店経営管理に関わる重要なポイントです。

人件費を削減するとサービスの質が落ちる可能性がありますが、オペレーションの方針次第では業務効率を上げ、利益を向上させることができます。

レストラン業務の場合には、「キッチン業務」、接客を中心とした「フロア業務」、在庫管理や事務などの「バックヤード業務」があります。

レストランの業績を上げるには、客数が増えても、同じ従業員数で回転率を上げることが重要です。

回転率を上げるためには、役割ごとに手順を明確化する必要があります。作業動線を見直し、適切な調理量を決めることも業務効率化のカギとなります。

お客様が来店されてから、料理を提供し、お帰りになるまでの流れを見直すとともに、それぞれの役割分担を考えてみましょう。いかに無駄な動きをなくすかがポイントです。また、補充や仕入れのルールを決め、しっかりとした在庫管理を行いましょう。

③FL比率を下げる

飲食店経営において最も大きなコストである「食材原価+人件費」をFLコストと呼びます。このFLコストを売上の何%に抑えるかが、利益に大きく影響します。

FLコストとは、Food(食材費)と人件費(Labor)の合計金額です。

FL比率とは、飲食店の売上高に占める、FLコストの比率のことで、FL比率=(食材費+人件費)/売上高で計算します。

FL比率は売上高の50~60%程度が適正値と言われています。

飲食店経営には、食材費や人件費以外にも、家賃、水道光熱費、消耗品費、販促費、リース料など多くのコストがかかり、これらを足すだけでも30%以上となってしまうことがよくあります。売上額よりもコストが多くかかってしまうと、その店舗は赤字ということになります。

FL比率を下げるためには、食品の廃棄を減らすことが必要です。食材の廃棄を防ぐためには、需要予測が必要です。客数などが事前に予測できれば、食材の購入量を調整することができるからです。

あらかじめデータをしっかりとっておくことが必要です。天候や季節によって客数がどの程度変動するかが分かれば、食材購入の必要量の予測が可能となります。

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飲食店の経営費用を抑えて利益を出そう!

飲食店を経営していると、どうしても売上を上げることばかり考えてしまいがちです。

最近はコロナウイルスの影響もあり、客単価を上げたり、客席を増やして客数を増やしたりすることができず、なかなか売上を伸ばすことができないかもしれません。

その際忘れがちなのが、ランニングコストを削減することが利益につながるということです。ランニングコストをしっかり管理することで、売上が上がらなくても利益を増やす施策を打つことができるのです。

ただ、コスト削減も場面に応じて臨機応変に対応することが必要です。

食材のコストを下げすぎると、食材のロスが増えるだけでなく、品質も低下します。人件費を下げすぎると、サービスの品質や従業員の労働環境が悪くなり、離職率の高い店舗になる可能性があります。

電気代を節約するために空調の使用を制限すると、お客様が店内で快適に過ごせなくなる可能性があります。

お客様に直接関わる面では削減せず、お客様に関係のない部分でいかに削減できるかを考えましょう。

まとめ

  • 飲食店開業にかかる費用は、店舗となる物件の取得のためかかる費用と物件取得後に必要な費用の2つがある。
  • 経営を始めてからかかるランニングコストを知ることで、店舗の売上や利益を予測することができる。
  • 飲食店の経営にかかるコストを抑えるためには、物件を慎重に選び、同じ従業員数で回転率を上げるようなオペレーションを練り、FL比率を下げるよう意識する。

本記事がこれから飲食店開業を目指す方の参考になれば幸いです。